2023年10月からふるさと納税の寄付金が値上がりになります。
これはなぜなのでしょう。
実は、次のような改正が2023年6月27日付で決まったからなのです。
<主な改正内容>
・ 募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下とする(募集適正基準の改正)
・ 加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める(地場産品基準の改正)
2019年にも制度の大きな改正がありました。
そのときは、ふるさと納税の返礼品は、寄付金の3分の1以下の価格にすることが地方税法の改正で決まりました。
ところが実際には、返礼品を発送するための送料や、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用などは自治体が負担していて、これらを入れると寄附額の5割以上となってしまう自治体が多かったのです。
これでは、せっかく寄付を受けても自治体に入る収入が寄附額の半分以下になってしまいますね。
そこで国(総務省)は、返礼品を発送するための送料や、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用などを含めて、返礼品の寄附額の50%以下とするように地方税法を改正したのです。2023年10月1日施行です。
分かり安く図解すると次のようになります。
経費をすべて返礼品の寄附額の5割に収めなければならないため、自治体の収入を増やさないと5割に収まりません。
この場合、次の2つの方法があります。
1.返礼品の数量を減らして返礼品を安くして経費を5割以内に収めることで、今までどおりの寄附額で出す。
2.自治体の収入を増やして返礼品と経費を含めた金額を寄附金額の5割以下に収める。
食品などで量を減らせるものは1の方法でも行けますが、かさが減ると見た目が貧相な印象になりますから、今までの量を出すためには値上げせざるを得ません。
また、パソコンやオーブントースターなどは数を減らすことができないので、どうしても2の方法で値上げせざるを得ません。
どちらにしても、値上げになる返礼品がほとんどを占めるでしょう。
ふるさと納税 2023年10月の値上げの仕組みは以上のようなことが原因です。
自治体にすれば収入が増えるわけですが、値上げによって寄付が減ったら収入も減ります。
なので、自治体も寄附者にとっても、本当に良いことなのか疑問ですね。
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